[作品] 富士山シリーズ
「2014 世界遺産元旦 飛翔霊峰富士」240×480 cm
富士山が世界遺産に登録されて初めて迎えた2014年1月1日、富士山に昇る初日の出を、富士山上空4000メートルから描ける特別な
富士山が世界遺産に登録されて初めて迎えた2014年1月1日、富士山に昇る初日の出を、富士山上空4000メートルから描ける特別なチャンスが与えられた。伊豆半島から駿河湾を臨む空が赤く染まった頃に、太陽はその雄姿を見せ始めた。操縦室の張り詰めた空気、外では激しく風が舞う中、描くために山頂付近で窓を開けると一瞬で空気はマイナス20度の寒さになる。酸素マスクをつけて描くので思うようには描けないが、寒さの中で必死に描く。下界は暗闇、天空の蒼は宇宙色で、荘厳な富士山は悠然とそこにあった。そして太陽は地上で見るよりはるかに強烈だった。富士山の嶺より風で雪が吹き飛んでゆく。急斜面には黒々とした岩山も見え、峻厳で人を寄せ付けない。巨大な富士を眼前にして、ましては冬、人間の弱さを感じたが、我々を遥かに超えた存在としてありのままを描こうと思った。
「錦繍富士冠雪」180×540 cm
富士山の初冠雪は早い。初冠雪から何度目かの降雪で、このまま冬の雪として残りそうな頃は富士山の下の方は
富士山の初冠雪は早い。初冠雪から何度目かの降雪で、このまま冬の雪として残りそうな頃は富士山の下の方は秋たけなわで、富士山の5合目は紅葉も終えている。前日の雪も少し解けて真白き富士山がレースのドレスをまとった様な模様に覆われ、富士山の頂きから麓にのびやかに線を描いていた。この時は人に会う用事で訪れていたのだが、あまりの美しさに富士宮の高台を目指して駆け上った。富士山が両手を広げて「さあ描け」と言っているようだった。その後にも描くために何度も訪れたが、この模様はこの時だけだった。
「富士燦々初雪」145×450 cm
下界ではまだ夏の終わり頃という時期に富士山では初冠雪となる。「初冠雪の富士山を間近に見たい」と思っていて、
下界ではまだ夏の終わり頃という時期に富士山では初冠雪となる。「初冠雪の富士山を間近に見たい」と思っていて、それまでの経験からいよいよ明日は初冠雪が来ると予測して、夜を徹して富士山5合目に向かった。外は嵐の様な生憎の天気で登ることをためらったが、意を決して登り始めた。強風で飛ばされてくる小石が頬を叩き、痛さに耐えながら進む。ヘルメットもゴーグルも持たずに慌てて来た事を後悔するが、ここまで来て引き返す事も出来ない。道無き道を登り森林限界を超え6合目付近に来るが、装備が無いのでこの先は登れない。富士は見えず石ころだらけ。灰色の雲が竜の様に暴れ寄せ付けない。暫く我慢していると、急に雲が割れ始め大きな太陽が燦々と降り注いできた。雲の中から現れた巨大な太陽に思わず跪き合掌した。光が体を抜けてゆく。そして晴れた富士山は初冠雪の姿だった。
宙空宝永富士 120×240 cm
蒼天勇壮富 120×240 cm
紅天翔雲富士 変形100号(90×162cm)
朝光雲赤富士 変形100号(90×162cm)
風雪松金富士 M80号
駿府富士茶畑眺望 P100号
富士春光桜 F30号
富士月嶺 P20号
新緑富士湖面 変形30号
蒼天湖秋麗 変形30号
富士秋彩初雪 変形30号
峻厳富士大火口 変形50号