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荒野(あらの)をゆく 旧約聖書の取材にこのイスラエルの荒野(あらの)を何時間も車で走った。 エジプトから紅海を渡り荒地をゆくのだが、道も悪く対向の車もスピードだけは恐い程で荒地をゆくように感じた。ひとたび車も無く歩いてみると、何ともいえない静かで不思議な感覚になる。この荒野には何も無く、わずかな椰子に似た木くらいで雨も殆ど降らない。生命も乏しいのだが、何というクリアーな世界か。「無」に近い状態がそのまま存在しているという感じである。この過酷な地でユダヤ教・イスラム教が生まれた。共に兄弟として。